清川泰次記念ギャラリー（世田谷美術館分館）

清川泰次記念ギャラリーは、世田谷美術館の分館として2003年11月に開館した美術館です。洋画家・清川泰次のアトリエ兼住居が、清川が亡くなった後に生前の遺志に基づき、遺族から作品と共に寄贈されたものを区が整備したものです。

抽象画家として活躍した清川泰次（1919-2000）は、1919年に静岡県浜松市で生まれ、慶應大学経済学部在学中に独学で油絵を始めました。1947年に二科展に初入選。1949年に世田谷区成城にアトリエ兼住宅を構えました。1951年に渡米して個展を開くなどした後、欧州やアジア各地を周遊。色彩豊かな面や線を使った抽象画へと画風を変えていきました。1963年に再度渡米し3年間滞在。その後は白を基調とした独自の画風を新たに確立して活躍。晩年には色彩豊かな画風に変わりながら、2000年に亡くなるまで成城に拠点を置いて活動。死後、本人の遺志に遺族よりアトリエ兼住居の建物・土地が作品と共に区へ寄贈されました。

清川泰次記念ギャラリーは、寄贈されたアトリエ兼住居の大部分をそのまま残しながら一部を改装し、2003年11月に開館したものです。旧アトリエ部分は常設展示室となっており、入れ替えにより毎年2期に分けて展覧会が行われ作品が展示されています。展示室の横には休憩室が設けられており、庭を眺めることも出来ます。

またかつての住居のリビング部分を使い、区民の作品を展示する区民ギャラリーも大小2室設けられています。パネルを取り外せば、区民ギャラリーからも庭を眺められます。受付にはミュージアムショップも併設されています。

ギャラリーがある成城は、世田谷区の西部に位置しており、高級住宅街としても知られています。ギャラリーも住宅街の中に佇んでいます。鉄道の最寄り駅は、小田急・小田原線「成城学園前」駅となり、徒歩で約3分ほどとなります。来館者用の駐車場はありません（障害者用はあり）。

清川泰次に関連した施設としては、静岡県御前崎市に清川泰次芸術館があります。こちらは、御前崎町（当時）に清川が約400点の作品を寄贈し、1995年5月に開館したものです。2011年には市民ギャラリーも併設され現在は清川泰次芸術館・市民ギャラリーとなっていますが、2022年4月から館内整理のため臨時休館中です。

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