世田谷区の鉄道駅利用者数トップ10
世田谷区内には私鉄3鉄道7路線の駅が存在し、その合計数は41と東京23区でもトップクラスの鉄道駅数を持ちます。
今回はこの鉄道駅の中から、利用者数が多い駅トップ10をご紹介します。ランキングに使用したのは、私鉄各社から発表されている2018年度の乗降人員数情報です。前回のトップ10は2015年度の数字を元にしていましたが、2018年度のトップ10も、下北沢を除き順位に変動はありませんでした。
なお、東急・世田谷線に関しては、各駅ごとの人数は発表されておらず全線でひとまとめとして人数が発表されているため今回のランキングからは除外していますが、利用人数からしてトップ10に入ることはないはずです。
世田谷区内の鉄道駅別利用者数トップ10
それでは、10位から順番に見ていきましょう。
10位: 桜新町駅(東急田園都市線): 73,447人
2015年度: 70,588人 -> 16年度: 71,753人 -> 17年度: 72,687人
10位は世田谷区桜新町にある東急電鉄の「桜新町駅」です。1977年に開業した地下駅で、開業以来利用者は増加傾向にあり2015年度は初めて7万人を突破、その後も毎年過去最高の乗降人員数を更新しています。桜新町はサザエさんの街として知られ、サザエさん通りや長谷川町子美術館などがあります。
駅周辺には商店が集まり、徒歩10分ほどの場所には区立中央図書館が入る教育センターなどもあり、日本体育大学の世田谷キャンパスも徒歩15分ほどの場所に位置しています。駅には急行は停車しませんが、準急・各駅が停車します。
9位: 経堂駅(小田急小田原線): 80,941人
2015年度: 74,691人 -> 16年度: 76,363人 -> 17年度: 77,959人
9位は世田谷区経堂にある小田急電鉄の「経堂駅」です。1928年に開業し、現在は高架駅となっています。早朝・深夜には始発・終着列車も設定されており、平日・日中と土休日には急行も停車し、2018年3月のダイヤ改正により準急も全て停車するようになりました。
利用者数は1990年代前半にピークを迎えた後は増減を繰り返していましたが近年は再び増加傾向にあり、2012年度に初めて7万人を突破。その後は毎年乗降人員数の最高記録を更新、2018年度には8万人を突破しています。駅周辺には商店が集まり、徒歩15分ほどの場所にある国内唯一の農業大学・東京農業大学までの通りは農大通りとしても知られています。
8位: 駒沢大学駅(東急田園都市線): 80,970人
2015年度: 77,135人 -> 16年度: 78,217人 -> 17年度: 78,934人
8位は世田谷区上馬にある東急電鉄の「駒沢大学駅」です。1977年に開業した地下駅で、近年は利用者数は増加傾向にあり2015年度は過去最高の乗降人員数を記録。その後も増え続け、2018年度には8万人を突破しました。急行は停車せず、準急・各駅停車のみが止まります。
付近には駅名の通り駒澤大学がありますが、駅名の「沢」と大学名の「澤」が違うため若干ややこしくなっています。駅建設時にはその場所をめぐって訴訟も行われた歴史もあります。周辺には、世田谷区内で最も大きな面積を持つ公園・駒沢オリンピック公園などもあります。
7位: 千歳烏山駅(京王京王線): 83,666人
2015年度: 78,314人 -> 16年度: 80,354人 -> 17年度: 82,167人
7位は世田谷区南烏山にある京王電鉄の「千歳烏山駅」です。1913年に「烏山駅」の名称で開業しており100年以上の歴史を持つ駅です。特急以外の列車が停車し、駅周辺には商店街が広がります。次の仙川駅(調布市)と共に、京王線の明大前~調布駅間では買い物客などで利用者が集まる場所であり、駅から徒歩15分ほどの場所には日本女子体育大学の烏山キャンパスがあります。
駅の利用者数は1990年代前半をピークに減少傾向にありましたが、2000年代半ばから緩やかな増加傾向にあり、2016年度は初めて8万人を突破して過去最高となると、その後も記録を更新し続けています。
6位: 成城学園前駅(小田急小田原線): 89,856人
2015年度: 88,516人 -> 16年度: 88,727人 -> 17年度: 89,468人
6位は世田谷区成城にある小田急電鉄の「成城学園前駅」です。1928年に開業し、現在は地下駅となっています。高級住宅街・成城の駅として駅周辺には大きな邸宅が広がり、成城石井や成城コルティなどセレブな感じのある駅前となっています。駅名の通り成城学園の最寄り駅であり、小学校から大学までが集まった学園の学生利用も多い駅です。駅の利用者数は1991年をピークに減少傾向にあったものの、2000年代半ばから再び緩やかに増加しており近年は同じ程度の数字か微増が続きます。
5位: 明大前駅(京王京王線・井の頭線): 110,244人
2015年度: 104,608人 -> 16年度: 107,394人 -> 17年度: 108,231人
5位は世田谷区松原にある京王電鉄の「明大前駅」です。京王電鉄の京王線と井の頭線の2路線が通り、それぞれ単独では京王線が63,014人、井の頭線が47,230人となっており合計で110,244人となります。また、両線の乗り換えが180,019人となり、乗降人員数を上回る乗り換え利用者がいます。京王線の駅としては1913年に火薬庫前駅として、井の頭線の駅としては1933年に西松原駅としてそれぞれ開業し、1935年に明治大学の移転に伴い現在の名称になりました。
区内の京王電鉄駅では唯一特急が停車します。駅北側の杉並区内には駅名の由来である明治大学の和泉キャンパスがあり、駅周辺には商店が集まっています。
4位: 下北沢駅(京王井の頭線): 114,175人
3位: 下北沢駅(小田急小田原線): 118,869人
京王: 2015年度: 114,269人 -> 16年度: 114,452人 -> 17年度: 114,367人
小田急: 2015年度: 114,118人 -> 16年度: 114,922人 -> 17年度: 115,658人
4位、3位は続けて紹介します。世田谷区北沢にある「下北沢駅」は、2019年3月まで、小田急電鉄と京王電鉄が共同で使用する共用駅となっており、小田急が地下駅、京王が高架駅となっていました。2019年3月に改札が分離されるまではそれぞれの乗り換えに改札も設けられておらず、両線間の乗り換え客も多数利用しています。それぞれでの相互乗り換え人員数は公表されていなかったため、両線の乗降人員数には改札を出ずにそのまま乗り換える人数も一定数いたものと考えられます。
2013年に小田急電鉄の地下化が完了した後は乗り換えがしづらくなったこともあり、両鉄道とも乗降人員数は記録的な減少となっており、2012年度と15年度の数字を比べると、小田急は約14%、京王は約12%減少しています。2015年度の数字は京王のほうが小田急を上回っていたものの、その後は京王がほぼ変わらず推移する一方、小田急は微増となったため、2016年度以降は小田急の数字が上回っています。
2位: 三軒茶屋駅(東急田園都市線): 141,133人
2015年度: 132,845人 -> 16年度: 136,149人 -> 17年度: 139,061人
2位は世田谷区太子堂にある東急電鉄の「三軒茶屋駅」です。三軒茶屋駅は世田谷線の始発駅でもありますが、田園都市線とは改札が別となっており、両線間での相互乗り換え人員数や世田谷線三軒茶屋駅の乗降人員数も公表されていないことから、利用者数は田園都市線の地下駅のみの数字となっています。
三軒茶屋はランドマークのキャロットタワーをはじめ世田谷区内でも最も有名な繁華街の一つである一方、駅から少し離れると住宅が立ち並ぶなど、商業地・住宅地の両方として利用者が多い場所です。付近には昭和女子大学や、2016年4月にオープンした日本大学三軒茶屋キャンパスもあります。
1位: 二子玉川駅(東急田園都市線・大井町線): 165,421人
2015年度: 152,565人 -> 16年度: 160,558人 -> 17年度: 162,989人
1位に輝いたのは、世田谷区玉川にある東急電鉄の「二子玉川駅」です。東急田園都市線と大井町線の2路線が通り、単独では田園都市線が103,789人、大井町線が61,632人となっており、田園都市線単独でも6位の成城学園前を上回ります。それぞれの利用者数には相互乗り換えの人数は含まれておらず、2015年度で相互乗り換え人数は83,129人でした。再開発が進む二子玉川では、駅前に高島屋や二子玉川ライズなどショッピングセンターが集まる一方、住宅地としても人気のエリアで高層マンションも立ち並んでいます。
特に近年の再開発や大手企業の移転に合わせて駅の利用者数も急激に増えており、2010年に二子玉川ライズが先行オープンし二子玉川ライズタワー&レジデンスの入居も開始したことから、2011年度の乗降人員数は前年度比15%以上の大幅増となりました。さらに2015年には二子玉川エクセルホテル東急や109シネマズ二子玉川など残っていた施設も全てオープンし、同年8月には楽天が本社を移転したこともあり、2015年度は前年度比約18%増の大幅増を記録、2005年度は96,780人と10万人に満たない利用者数だったものが、10年間で60%近くの急増となりました。以降も過去最高を記録しながら増加を続けています。
また、東急電鉄では定期利用者と定期外利用者の数字を公表していますが、二子玉川駅は定期外利用者の割合が約51%と非常に大きくなっており、ショッピング等で一時的に訪れる人が多いことも、1位に押し上げた要因になっているようです。2位の田園都市線・三軒茶屋も買い物などの一時利用が多い駅ですが、それでも定期外利用者の割合は約43%であり、その違いが分かります。
世田谷区内路線別の利用者数ランキング(2015年度の情報)
駅別のトップ10を見たので、次に世田谷区内を通る鉄道路線別の利用者数ランキングも見てみます。区内には7つの鉄道路線がありますが、それぞれの路線のうち区内にある駅の乗降人員数を合計した数でランキングとしています。
順位 | 路線名 | 乗降人員数合計(人) | 駅数 | 1駅あたり(人) |
---|---|---|---|---|
1位 | 東急田園都市線 | 500,745 | 6 | 83,458 |
2位 | 小田急小田原線 | 487,537 | 10 | 48,754 |
3位 | 東急大井町線 | 303,709 | 5 | 60,742 |
4位 | 京王井の頭線 | 301,824 | 5 | 60,365 |
5位 | 京王京王線 | 270,152 | 7 | 38,593 |
6位 | 東急世田谷線 | 110,112 | 10 | 11,011 |
7位 | 東急目黒線 | 13,738 | 1 | 13,738 |
世田谷区内全駅の利用者数(2015年度の情報)
最後に、世田谷区内にある全駅の乗降人員数を一覧で紹介します。
駅名 | 路線名 | 人数(単位:人) |
---|---|---|
二子玉川駅 | 東急(2線合計) | 152,565 |
三軒茶屋駅 | 東急田園都市線 | 132,845 |
下北沢駅 | 京王井の頭線 | 114,269 |
下北沢駅 | 小田急小田原線 | 114,118 |
(全線) | 東急世田谷線 | 110,122 |
明大前駅 | 京王(2線合計) | 104,608 |
二子玉川駅 | 東急田園都市線(単独) | 95,671 |
成城学園前駅 | 小田急小田原線 | 88,516 |
千歳烏山駅 | 京王京王線 | 78,314 |
駒沢大学駅 | 東急田園都市線 | 77,135 |
経堂駅 | 小田急小田原線 | 74,691 |
桜新町駅 | 東急田園都市線 | 70,588 |
用賀駅 | 東急田園都市線 | 63,204 |
池尻大橋駅 | 東急田園都市線 | 61,302 |
明大前駅 | 京王京王線(単独) | 60,135 |
二子玉川駅 | 東急大井町線(単独) | 56,894 |
千歳船橋駅 | 小田急小田原線 | 56,293 |
祖師ヶ谷大蔵駅 | 小田急小田原線 | 47,857 |
明大前駅 | 京王井の頭線(単独) | 44,473 |
下高井戸駅 | 京王京王線 | 44,407 |
桜上水駅 | 京王京王線 | 38,196 |
喜多見駅 | 小田急小田原線 | 32,973 |
梅ヶ丘駅 | 小田急小田原線 | 32,199 |
尾山台駅 | 東急大井町線 | 29,777 |
等々力駅 | 東急大井町線 | 28,986 |
豪徳寺駅 | 小田急小田原線 | 26,498 |
上野毛駅 | 東急大井町線 | 22,364 |
代田橋駅 | 京王京王線 | 19,974 |
東松原駅 | 京王井の頭線 | 18,783 |
上北沢駅 | 京王京王線 | 14,693 |
芦花公園駅 | 京王京王線 | 14,433 |
奥沢駅 | 東急目黒線 | 13,738 |
九品仏駅 | 東急大井町線 | 13,123 |
池ノ上駅 | 京王井の頭線 | 10,102 |
新代田駅 | 京王井の頭線 | 9,589 |
世田谷代田駅 | 小田急小田原線 | 7,886 |
東北沢駅 | 小田急小田原線 | 6,506 |