駒沢オリンピック公園

東京オリンピックの第２会場だった公園

世田谷区内に４つある都立公園の一つである駒沢オリンピック公園は、１９６４年に開催された東京オリンピックの第２会場として使用された場所です。園内には「都立駒沢オリンピック公園総合運動場」があり、様々なスポーツ施設が集まっています。駒沢オリンピック公園総合運動場は、東京体育館や東京武道館も管轄している公益財団法人東京都スポーツ化事業団が管理しています。

元々は駒沢ゴルフ場があった場所で、幻となった１９４０年の東京オリンピックにはメイン会場の候補地として選ばれていました。運動施設の整備は、１９４９年１０月開催の第４回国民体育大会用に「バレーボールコート」２面と「ホッケー場」１面が建設されたのが始まりです。その後、１９５８年５月の第３回アジア大会用に「バレーボールコート」が、翌年１０月の第１４回国民体育大会用として「弓道場」が新設されました。

１９６１年に東京でのオリンピック開催が決定すると、第２会場として使用されることが決まり、施設は大幅に拡大されることとなりました。現在の敷地内には当時、プロ野球・東映フライヤーズ（現・北海道日本ハムファイターズ）の本拠地である駒澤野球場がありましたが、この球場も１９６２年に廃止されました。

東京オリンピックに向けては、都市計画事業に基づき弓道場を除いて全面的な改修整備が行われ、「陸上競技場」「体育館」「屋内球技場」「第一球技場」「第二球技場」「補助競技場」の６施設が建てられました。駒沢球場があった場所は、主に第二球技場となっています。オリンピック時には、サッカー、レスリング、バレーボール、ホッケーの会場として使用されています。

オリンピック後にも施設の整備は続いており、駐車場用地を転用した「軟式野球場」２面、バレーボール練習場を転用した「テニスコート」８面の建設にはじまり、「水泳場」も新新設され、１９６７年のユニバーシアード東京大会ではバレーボール会場ともなりました。その後、１９７０年に「硬式野球場」、１９８８年に「トレーニングルーム」が新設され、現在の形態となっています。水泳場は老朽化のため２０１１年に使用休止となったため、現在利用可能な運動施設は「陸上競技場」「補助競技場」「第一球技場」「第二球技場」「軟式野球場」「硬式野球場」「テニスコート」「体育館」「屋内球技場」「弓道場」「トレーニングルーム」の１１箇所です。

１９９３年には、体育館の全面改築と合わせて、「東京オリンピックメモリアルギャラリー」も開設されました。無料で入館できるギャラリーでは、東京オリンピックで実際に使用された競技用具が常設され、企画展も毎月開催されています。

スポーツ以外にもたくさんの見所

園内には他にも３箇所の児童公園もあり、「うま公園」「ぶた公園」「りす公園」と名づけられています。夏には水遊びをする子供たちも多い通称「ジャブジャブ池」や、利用登録により３６５日無料で利用できる「ドッグラン」など、スポーツ施設以外の見所もたくさんです。

また、公園中央にある中央広場の北側には、公園のシンボルでもある高さ５０メートルの「オリンピック記念塔」があります。

様々な施設が集まる駒沢オリンピック公園ですが、２０２０年の東京オリンピックに関しては、施設の広さや老朽化などの問題もあり開催地とはなっていません。一方で、現在でも様々なイベントが開催されており、施設の稼働率は非常に高い場所としても知られています。

体育館の地下にあるカフェテリアは現在休止していますが、園内には中央広場・体育館近く、ジャブジャブ池近く、サイクリングセンター近くの３箇所に売店があります。

なお、公園の大部分は世田谷区にありますが、陸上競技場の東側半分や駐車場など、公園東部の一部は目黒区内にあります。

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