世田谷区とは
世田谷区とは東京23区の一つの特別区で、23区の南西部に位置しています。人口は東京23区の中で1番多く、面積は大田区に次いで2番目の広さを持ちます。
「高級」というイメージもあるかもしれない世田谷区ですが、「三軒茶屋」「二子玉川」「下北沢」「成城」など、有名な地名も多数あります。ちなみに、高級住宅街で有名な「田園調布」は大田区ですが、世田谷区に隣接しており、「玉川田園調布」が世田谷区にはあります。
人口が多いことから、世帯数や若者数など、人に関することでは23区内では1位の数字がずらりと並びます。予算規模も2016年度の一般会計は約2900億円と23区内1位です。
場所
東京都世田谷区は、練馬区、杉並区とともに東京23区の西端に位置する3つの区のうちの一つで、その中でも最も南に位置しています。北隣はほとんどが杉並区、東隣は北から渋谷区、目黒区、大田区、南隣は多摩川を挟んで神奈川県川崎市(東から、中原区、高津区、多摩区)と隣し、西隣は北から三鷹市、調布市、狛江市と隣接しています。
経度緯度では、東経139度41分11秒~139度34分56秒、北緯35度40分59秒~35度35分25秒に位置しています。
面積
世田谷区は、東西に約9キロメートル、南北に約8キロメートルとほぼ平行四辺形に近い形をしています。
世田谷区の面積は、58.05平方キロメートルです。実は、2013年までは58.08平方キロメートルと、今より若干広い面積が公表面積でした。
2013年まで市町村の面積は、国土交通省国土地理院による1988年時点の2万5000分の1地形図を基に、埋立や境界変更の告示等による面積の加減算を行って毎年公表されていたのですが、計測の基礎となる地図がより高精度な「電子国土基本図」に切り替えられたことで計測方法が変更され、若干小さな面積となりました。区では、2015年3月以降、新しい面積を使用しています。
現在は大田区に次いで東京23区内では2番目の面積となっていますが、1992年に羽田空港の埋め立てが完了するまでは、東京23区で最も広い区でした。23区内で3番目の面積は足立区の53.25平方キロメートルとなり、最も小さい台東区と比べた場合、世田谷区は約6倍の面積を持ちます。
他県の自治体では、千葉県市川市や、埼玉県羽生市などとほぼ同程度の面積となっています。
地形
世田谷区は武蔵野台地の南部に位置し、大きく分ければこの台地部分と多摩川沿いの低地部分に分けることができ、区内全体では地形の起伏が多い場所です。台地部分の南西部にあたる多摩川沿の成城から大蔵、瀬田、野毛に至る部分は「国分寺崖線」と呼ばれる急な崖を形成しており、ここが武蔵野台地の境界として、この崖の北東側が台地、南西側が低地となっています。
台地部分で最も高い部分は、区内のほぼ中央から南東部にかけて傾斜している「荏原台」と呼ばれる場所で、このうち世田谷区松原・大原あたりに分布している「淀橋台」といわれる部分が最高で40~50メートルほどの高さです。その他にも複数の地層が見られ、台地部分全体では30~50メートルの標高となりますが、高度は全般的に烏山方面から奥沢方面の南東方向に傾いており、区内の標高は北西部に行くほど高くなり、南東部に行くほど低くなります。
一方、区内南西部の多摩川沿いとなる低地部分は標高10~25メートルの平坦地となっており、多摩川の下流に行くほど低くなっています。
区内には多摩川をはじめ、仙川、野川、烏山川、北沢川、蛇崩川、九品仏川、谷沢川、呑川、丸子川など多数の川がありますが、かつてはかんがい用水と利用されていた川も宅地化が進むにつれて多くが下水道幹線となり、地上からは見えないように「暗渠化」が進んでいます。川が地下に入ってしまった地上部分は、緑道となっています。
人口
人口数
2015年10月実施の第20回国勢調査による世田谷区の人口は、前回調査から2万3253人(2.65%)増の90万391人です。この数は、政令指定都市を除く全国の市町村の中では前回の国勢調査に引き続き1位です。政令指定都市を含めた市町村の人口順では、横浜市、大阪市、名古屋市、札幌市、福岡市、神戸市、川崎市、京都市、さいたま市、広島市、千葉市、北九州市(96万1815人)に次ぐ全国14位となっており、世田谷区の次は、堺市の83万9891人です。
都道府県でも、山梨県、佐賀県、福井県、徳島県、高知県、島根県、鳥取県の7県の人口を上回っています。人口の割合では、東京都の人口の約6.66%を占め、全国の人口では約0.71%が世田谷区に住んでいることとなります。東京23区で世田谷区に次いで人口が多い練馬区は72万2108人です。
人口の「増加数」で見た場合、東京23区の中では港区、千代田区、江東区、港区に次いで5位、増加率では、23区中16位となっています。
一方、世田谷区が発表している「住民基本台帳」に基づく数字では、2016年5月1日現在、世田谷区の人口は89万302人、うち、日本人が87万2750人、外国人が1万7552人となっています。国勢調査と同じ2015年10月1日現在の数字は、88万1733人でした。
※国勢調査の数字と住民基本台帳の数字の差は?
住民基本台帳と国勢調査の数字では実は違いがあり、世田谷区の場合も約1万人程度の差が見られます。これは、調査方法の違いによるものです。「住民基本台帳」は住民票から集計されており、「届出地」に基づいた数字です。一方、国勢調査は実際に住んでいる「居住地」に基づいた数字です。また、国勢調査は調査日時点(10月1日)の居住地に基づいた調査であり、住民基本台帳は毎月更新されているなど、調査時期の違いもあります。
「住民票」の場合、特に若い世代に多いようですが、住所を移転しても転居届けを出さずに元の住所に残したままにする人がいたり、住民票を残したまま、海外に長期滞在している人なども含まれています。そのため、通常は住民基本台帳のほうが国勢調査の数より多くなり、全国1800市町村のうち、住民基本台帳のほうが数字が多い自治体が約90%、少ない自治体は10%程度となっています。
世田谷区のように国勢調査のほうが数字が多い自治体は都市部に多く、住民票を地元に残したまま進学や仕事の都合で一時的に滞在している人が影響しているようです。世田谷区の場合、教育機関も多いことから、大学生などが実家に住民票を残したまま滞在している人数が多いのかもしれません。
世帯数と人口密度
2015年の国勢調査によると、世田谷区の世帯数は前回の調査から1万3374世帯(2.98%)増の46万2335世帯となっており、1世帯あたりの人員は1.95人と前回と同じでした。 全国平均の2.38人や東京都平均の2.02人は下回っているものの、区部平均の1.93人は若干ながら上回っています。東京23区の中では8番目に多い数となり、前後は、北区1.93人、大田区1.93人、墨田区1.97人、江東区2.04人となっています。なお、23区で最も少ないのは新宿区で1.64人です。
世田谷区の人口密度は、1平方キロメートル当たり1万5510.6人です。全国平均の340.8人に比べると、約45.5倍となっています。東京23区全体の人口密度は1万4795.9人で、世田谷区はこの平均を上回っています。23区内の順位では13番目に多くなり、12位の北区、14位の練馬区にはさまれた位置にあります。
地域
世田谷区内は行政上5つの地域に分けられており、東側が北から「北沢地域」「世田谷地域」「玉川地域」、西側が北から「烏山地域」「砧地域」となっています。区役所は「世田谷地域」に置かれており、他の地域にはそれぞれ「総合支所」が設置され、区役所機能の一部を担いそれぞれの地域ごとに小さな区役所があるような形となっています。
各地域は「地区」に分かれており合計で27地区があります。それぞれの地区には出張所もしくはまちづくりセンターがおかれており、行政手続きの一部を行うことができます。(一部の出張所は総合支所内にあります。)
さらに、区内の町名は合計で61あり、町丁数は277と、足立区の269を上回り23区内では最も多くなっています。各町は、基本的には27地区のいずれかに分かれていますが、三軒茶屋や駒沢など、一部の町は複数の地区に分かれているものもあります。