世田谷の都立祖師谷公園に保育所、国家戦略特区活用で2例目
世田谷区・上祖師谷にある都立上祖師谷公園に2017年4月、都市公園内の保育所としては2例目のとなる「茶々そしがやこうえん保育園(仮称)」が開園する。運営するあすみ福祉会(茶々保育園グループ)が20日、事業計画を発表した。
都市公園法により公園内への保育所設置は認められていないが、地域限定で規制を緩和する「国家戦略特区」に全域が指定されている東京都が特区制度を活用し、2015年9月に公園内に保育所などの福祉施設を設置できる特例を設けた。2015年11月に荒川区が全国初の事例として都立公園内への保育所設置計画を発表。世田谷区ではこれに続く2例目の事例として、2016年2月4日に開催された「特区会議」にて、公園内への設置が認められていた。荒川、世田谷に続き、品川区でも都立公園内での保育所設置を計画しており、世田谷区では、祖師谷公園のほかに、粕谷の都立蘆花恒春園でも祖師谷と同規模の保育所設置を予定している。
祖師谷公園に開園する認可保育所「茶々そしがやこうえん保育園(仮称)」は、0歳から5歳までの定員80名。鉄骨造2階建てで、敷地面積は950.10平方メートル、延床面積は752.88平方メートル。公園南側にあった原っぱの土地を都から10年間借りて運営する。建物は2016年3月30日に着工しており、2017年1月31日完成予定。整備費は国、都、区が一部助成し、土地の賃借料は区が一部を負担する。
運営するあすみ福祉会は、埼玉県入間市に本部を置き、埼玉県や千葉県で12の保育所を運営している。世田谷区内では、2017年4月開園予定の「茶々とどろき保育園(仮称)」(等々力7丁目)も定員117名で計画している。
世田谷区の保育待機児童数は2016年4月時点で前年同期より16人増え過去最高となる1198人。全国の自治体では4年連続で最多となっている。今年度も定員2000人以上定員を増やす計画を立てるなど、保育所の整備が急務となっている。