奈良原一高のスペイン――約束の旅
日時
2019年11月23日 - 2020年01月26日
10:00 - 18:00
場所
世田谷美術館
カテゴリー
世田谷美術館で定期的に入れ替えで開催されている「企画展」、今回は、写真家・奈良原一高(1931~)による1960年代のシリーズ「スペイン 偉大なる午後」に焦点を当てた展示となります。
写真集「スペイン 偉大なる午後」(1969年)は、奈良原が自らの表現を問い直すため、1962年から65年まで滞在したヨーロッパからの帰国後に、「ヨーロッパ・制止した時間」(1967年)と共に出版した写真集です。二つの写真集は対照的なイメージが映し出されていますが、これまでは、「ヨーロッパ・制止した時間」が高い評価を受けてきた一方で、「スペイン 偉大なる午後」はほとんど注目されてきませんでした。
今回の展示では、これまで取り上げられなかった写真集に焦点を当てます。「スペイン 偉大なる午後」は、1969年の写真集出版と翌年の再個展以後、2010年の大回顧展「手のなかの空 奈良原一高1954–2004」で紹介されるまで、忘れられた存在とも言えるもので、東京での展覧会はほぼ半世紀ぶりともなるものです。
奈良原はヨーロッパ滞在中に「約束の旅」と名付けてスペインを3度、合計5カ月程度訪れています。当時、東京オリンピックや経済成長で大きく変わろうとしていた日本と同様に、スペインも変革期を迎えており、奈良原の写真の中にも、「分け隔てなく人を迎え入れる祭りの熱気」、「町から村へと車を走らせ出会った人々の姿」、「劇的な闘牛」など、若き時代の奈良原が体験したダイナミックなスペインが映し出されています。一方で、いずれは失われてしまうであろう予感も感じさせるものとなっています。
展示では、「スペイン 偉大なる午後」から120点を厳選、また、同時期に出版されたからの15点も加え、135点の作品から、奈良原の「約束の旅」の軌跡をたどっていきます。
展覧会は3章構成となっています。また、3章構成に入る前の「プロローグ」として、まずは「ヨーロッパ・静止した時間」から選別された15点の写真により、奈良原の写真家としての多彩な表現を紹介します。3章は以下のようになっています。
第1章: 祭り
シリーズ〈スペイン 偉大なる午後〉より「フィエスタ」
第2章: 町から村へ
シリーズ〈スペイン 偉大なる午後〉より「バヤ・コン・ディオス」
第3章: 闘牛
シリーズ〈スペイン 偉大なる午後〉より「偉大なる午後」
また、写真集「スペイン 偉大なる午後」のデザインを手がけたグラフィック・デザイナーの勝井三雄(1931~2019)とのコラボレーションについても特集展示が行われます。
関連イベントとして、オープニングレクチャー「熱いまなざし— 外国人写真家はスペインをどう撮ってきたか」(11月24日午後3時~5時)、レクチャー「奈良原一高 生と死の交錯する文明の光景」(12月15日午後3時~4時30分)、ミニレクチャー「30分でよくわかる! 「奈良原一高のスペイン」展のポイント」(11月30日、12月21日、20年1月25日、いずれも午後3時~3時30分)、美術と演劇のワークショップ「えんげきのえ」(12月1日午後1時~6時)、100 円ワークショップ(期間中の毎週土曜日午後1時~3時)も開催されます。
名称 | 奈良原一高のスペイン――約束の旅 |
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日付 | 2019年11月23日 - 2020年01月26日 |
時間 | 10:00 - 18:00 ※展覧会入場は閉館30分前まで |
場所 | 世田谷美術館 |
料金 | 一般1000(800)円、65歳以上800(600)円、大高生800(600)円、中小生500(300)円。※()内は20名以上の団体料金。 |
公式URL | 公式ホームページはこちら |
主催 | 世田谷美術館(公益財団法人せたがや文化財団)、読売新聞社、美術館連絡協議会 |
お問い合わせ先 | 世田谷美術館(03-5777-8600) |