世田谷区でのカーシェア利用完全ガイド
世田谷区内ではあちこちで見かけるのが、「カーシェア」です。最近は入会や利用の手間もかなり容易になり、利用を検討している人もいるのではないでしょうか。
今回は、そもそも世田谷での生活に車は必要か?カーシェアの利用は向いているのか?利用するならどこのカーシェアが良いの?など、世田谷区でのカーシェア利用に関して、区内での利用歴6年以上の筆者がまとめています。
おすすめのカーシェア会社は記事の最後にまとめていますので、おすすめを知りたい方は説明をとばしてお読みください。
世田谷での生活に車は必要か?
そもそも世田谷での生活に車は必要でしょうか?結論から言えば、「無くても生活出来るけどあれば便利」という、無難な回答となります。ただだからこそ、「カーシェア」があれば便利な場面は多くなるのは間違いありません。
世田谷はスーパーやコンビニも多く、最寄りのスーパーまで徒歩で30分もかかるというようなことはあり得ないため、車が無いと生活出来ない、と言うような場所はありません。多少不便な場所であっても自転車があれば十分と言うことがほとんどでしょう。
それでもやはり、車があれば便利なのは、他のいわゆる都会の都市で暮らすのとは変わりはありません。
ただそれに加えて、いくつか世田谷固有の事情というのもあります。その点について、もう少し詳しく紹介します。
鉄道が便利なようで不便
世田谷区内には私鉄3社通っており、駅がある路線は7路線、鉄道駅は41もあるなど、都心の区を除けば23区でもトップクラス鉄道区です。
そのため、どこに住んでいても鉄道の駅にすぐに出れると思うかも知れませんが、実はこの鉄道が便利なようで不便でもあります。
世田谷区は面積も大きいため、駅まで徒歩15分以上かかる「陸の孤島」や「鉄道空白区」と呼ばれるような場所も少なくありません。分譲や賃貸マンションの広告で「2線3駅利用可能」などと打ち出していても、実際はどの駅に行くにも徒歩15分ぐらいかかる中途半端な場所、と言うのは珍しくないのです。
特に駅近くに建てるのが難しい大規模なマンションや、いわゆる「閑静な住宅街」などと言うところは、鉄道駅から離れていたりします。
また、3社の鉄道は基本的には東西に通っています。そのため、区内でも南北に移動するのはバスが中心となり、これが交通の大きな問題ともなっています。バス路線は色々な場所を経由しながら走る路線もあり、「環八」や「世田谷通り」などの幹線道路は渋滞も多いため、バスでの移動は結構時間がかかります。
そのため例えば、区の南西部にある二子玉川にショッピングに行こうとすると、東急沿線で無ければ、区の西部であっても新宿等に出た方が早いと言う場所も少なくないです。
都心の地下鉄と違い、3つの鉄道会社が接続出来る駅も限られているため、乗り換えながら移動するのもかなりの手間です。
このように、鉄道区である一方で鉄道での移動が実は不便と言うことも珍しくなく、区内の移動であっても車があれば便利な場面は多いです。
大型スーパーは駐車場がほぼある
世田谷区内には、郊外の都市にある「イオン」や「イトーヨーカドー」のような大型のショッピングセンターはほとんど無いですが、それでも、ある程度大型のスーパーは多数存在します。
そういったスーパーは、駅近の都市型・小型店舗などを除けばほぼ駐車場を完備しています。台数が少ない場合もありますが、「サミット」や「ライフ」など区内で見かけることが多いスーパーには、屋上や地下に大型の駐車場を持つ店舗もあります。
区内では車を所有している人も多いため、こういったスーパーは車で利用する前提で建てられている、ということになります。またコンビニであっても、駐車場がある店舗が少なくありません。都心であれば駐車場付のコンビニを探すのは難しく、ついつい路上駐車したくなりますが、世田谷では2~3台程度の小さな駐車場を備えている店舗もよく見かけます。
このように見れば、区内での都市作りは車があることを前提にしている言えないこともなく、都心の区とは違い車があれば利用出来る機会は少なくありません。
坂道が所々にある
もちろん、移動に車で無く「自転車」を利用する人も多くいます。最近ではシェアサイクルも増えており、ちょっとした移動であれば車よりも便利です。
ただ、世田谷区は元々武蔵野台地の南端にあることもあり、区内の所々に坂道が存在します。場所によってはかなり急な坂もあり、自転車での移動はつらかったりします。
また荷物をまとめて持つのも自転車では限界があります。
徒歩+自転車で生活出来ないことはないものの、やはり車があれば便利なのは間違いありません。そして都心の区との違いは、車で利用出来る施設が多いため、駐車場を探すのが難しいということも少ないと言うことです。
自家用車だとダメ?
では、車があれば便利ならやっぱり自家用車を買った方が良いのかな?と思うかも知れませんが、これもやはり、世田谷固有の事情が色々と影響してきます。
駐車場代が高い
自家用車を持つとなれば「駐車場」がどうしても必要となります。もちろん持ち家や一軒家の賃貸で駐車場が元々ある、と言う場合であれば問題ないでしょうが、マンションやアパート住まいであれば、駐車場も借りる必要があります。
駐車場付のマンションも多くありますが、問題は毎月発生する駐車場代です。都心の区に比べれば安いですが、それでも月に1.5~3万円程度の出費は覚悟する必要があります。駐車場代は場所によっても異なるため一概にいくらぐらいとは言えませんが、決して安くない金額を負担することになるのです。
細い道や迷路のような通りも多い
世田谷区内には大きな幹線道路もありますが、住宅地内には細い道も多くあります。また通りもまっすぐ続いておらず、くねくね曲がっている道も珍しくないため、いつの間にか前々違う方向に進んでいたという、迷路のようなことも多くあります。
細い道の場合は、一方通行もありますが、住宅地のために一方通行では無く、車のすれ違いが必要な通りも多いです。細い道から細い道に曲がるという場面も結構あります。運転に慣れている人であっても、こういう道の運転は大変です。曲がり角の電柱を見れば、擦った跡を見つけることも多いです。
これはカーシェアでも同じじゃないか、と思うかも知れませんが、カーシェアのポイントは車種を選べることです。
自家用車で大きなミニバン等のファミリーカーを買ってしまったり、周りの家に合わせて車体の大きな外車を買ってしまうと、こういった細い道での運転に困ってしまいます。
カーシェアであれば、普段の買い物にはコンパクトカーを選び、家族遠出擦る時はミニバンを選ぶいった、利用方法に合わせた車の選択が可能です。
カーシェアで練習して、ある程度自信が付いてから車を購入する、という選択も可能です。
毎日は使わない
車を通勤や送り迎え等に使うのであれば別ですが、そうで無ければ、たとえ自家用車を持っていたとしても、毎日使う場面はそうそう無いはずです。
もちろん人にもよりますが、買い物に行く時や週末に出かける時、急な送り迎えを頼まれた時など、出番が限られてくることも多いはずです。
地方都市とは違い、世田谷区内であれば毎日家族を駅まで車で送迎しなければいけない、という場所はあまりないはずです。そもそも駅自体が駅前に車を止めて待てるような場所も少なく、どうしても短時間の路上駐車で送迎を済ませないと行けない駅が多いです。
結局、マイカーを買って駐車場代を含めた高い維持費を払うよりは、必要な場面だけカーシェアを借りた方が費用も安く済み、便利に利用出来る場合が多くなるのです。
ガソリンスタンドが多くはない
区内では車で生活する人も多いため、ガソリンスタンドを見つけづらい、と言うことはありません。ただ住宅街の中にガソリンスタンドがあると言うことはほとんど無いため、ある程度大きな通りに出る必要があります。
近くにスタンドがあれば良いですが、そうで無ければガソリンスタンドまで行くのに時間がかかります。また幹線道路の場合は渋滞が発生することも多く、ガソリンを入れるだけでも時間と手間がかかってしまいます。
さらに最近はガソリンスタンドの閉店も相次いでいることから、ますますその数は少なくなってきています。
カーシェアであれば、移動中に無くならない限りはガソリンを入れる必要はありません。また、ガソリンを入れれば無料での利用時間がもらえるなどのメリットもあるため、出かけのついでにガソリンを入れてあげるのもお得な感じがあります。
カーシェアのメリットは?
ここまで前提の話が長くなりましたが、ではカーシェアを利用する場合のメリットデメリットは何でしょうか?まずはメリットから見ていきましょう。
必要な時だけ利用出来、お金を節約
カーシェアのメリットはなんと言っても、必要な時にだけ利用出来ることでしょう。
10分や15分といった単位から借りることが出来るため、まさにちょっとした用事で車が必要、と言う時に利用出来ます。
利用料金は使った分だけ(プランによっては月額料金が発生する場合もありますが)ですので、車の費用も大幅に抑えることが出来ます。
レンタカーの場合はある程度まとまった時間から借りる必要がありますが、カーシェアであれば数百円から車が利用出来るのです。
普段は車は使わないけど、ちょっとした買い物や、お出かけ、たまのドライブに使いたい、といった利用方法にはまさにもってこいと言えるでしょう。
借りれる場所が多い
レンタカーとカーシェアの違いは、借りれる場所の数でしょう。
カーシェアはコインパーキングやマンション・商業施設の駐車場などのちょっとしたスペースに設置されているため、区内でも至る所で見かけることが出来ます。
1つのステーションで借りれる車は2~3台程度と数は多くありませんが、数百箇所で借りることが出来ることを考えれば、全体ではかなりの数となります。
家の近くで借りるにも便利ですし、また、出先で車を使いたいと思った時にも、すぐに近くの場所で借りられることもメリットと言えるでしょう。
保険や駐車場の維持費が不要
カーシェアの料金は、基本的には使った時間分だけです。ガソリン代も不要です。
自家用車であれば、駐車場代や保険代、車検代といった「車の維持費」が、使う使わないにかかわらず発生してきますが、カーシェアであればもちろん不要です。
車に無駄な費用が発生しない、と言うのはマイカーでは無くカーシェアを選択する大きなポイントになるはずです。
予約・キャンセルが容易
これもレンタカーとの違いの1つとなりますが、カーシェアは予約やキャンセルがしやすい、と言うメリットもあります。
アプリやWebから自分の必要な時間をピンポイントに予約出来、その単位も10分や15分で選べます。
多くのカーシェア会社は、予約した時間より早く返せばその分の料金は発生しません。そのため利用時間がはっきりしていなくとも、多少長めに予約を入れておくことが出来ます。
車を借りる時も、店員と会って手続きをする必要も無いため、予約場所のステーションに行けば即利用可能です。
またカーシェアは、キャンセルのしやすさもポイントです。利用時間前までであればいつでもキャンセル出来、キャンセル料金も発生しません。極端な話、1分前でも不要になればキャンセル出来るのです。
レンタカーの場合、最近はアプリ等で予約が容易になっては来ましたが、キャンセルをする場合は、特定の日付を過ぎればキャンセル料が発生することもあり、カーシェアのように気軽にキャンセルがしづらいことがあります。
予約・キャンセルがしやすいことから、まさに自分の車であるかのように利用が出来るのです。
車種を選べる
前述もしましたが、カーシェアであれば車種を選べる、というのも1つのメリットです。近場の買い物には軽やコンパクトカーを利用して、家族で出かける時にはミニバンを借りる、といった使い方が出来ます。
自家用車であればこういった使い方は難しいです。
カーシェア会社によっては、いわゆる高級車もラインアップに加わっているため、ちょっとした高級気分を味わうことも出来ます。
色々な車に乗れる楽しさを味わえるのも、カーシェアならではでしょうか。
比較的新しい車に乗れる
カーシェアでは、一定のサイクルで車が入れ替わっていることが多いです。入れ替わりでは新車に近い車が配備されることも珍しくありません。
そもそも、ガソリン代が発生しないカーシェアでは、用意される車両も最近の燃費の良い車やハイブリッド車が多いのです。
それに加えて定期的に車両が入れ替わるため、比較的新しい車に乗れることもメリットと言えます。
私の場合も、近くのステーションでこれまで何度か、ほとんど走っていない新車に近い車両を利用したことがあります。
自家用車であれば、新車の匂いということはそう何度も体験出来るものではないですが、カーシェアであれば年に何度かは体験出来るかも知れません。
ガソリンを入れる手間が不要
カーシェア利用時は、ガソリンがなくなりそうにならない限りは、基本的にはガソリンを入れることは不要です。
また利用料金にガソリン代が含まれているため、別途ガソリン代を払う必要もありません。
もちろん、後に利用する人のことを考え、空に近い状態で返すことはマナー違反となりますが、レンタカーとは違い、いちいちガソリンを満タンにして返す必要はありません。
また例えばタイムズカーであれば、時間料金利用時に給油(20リットル以上)をすれば、30分の料金割引があるなど、ガソリンを入れることで特典を受けることも可能です。
必要な用具が揃っている
カーシェアの車内には、初心者マークやチャイルドシートなど、必要な用具が予め揃えられています。
不要であればこれらは利用する必要は無いですが、ただ、必要な人には無くては困るものです。
いちいちカー用品を買わずに済むことも、カーシェア利用のメリットと言えるでしょう。
カーシェアのデメリットは?
一方でカーシェアにはデメリットもあります。
予約出来ないことがある
最も大きなデメリットは、必要な時に必ず乗れるわけではない、と言うことです。特に土日や祝日などは予約が埋まりやすく、必要な場合は前もって予約をしておく必要があります。
ただ逆に平日には空いている時間帯が多く、また1つのステーションで複数の車両が用意されていることが多いため、土日・祝日を除けば、まったく乗れる車がない、と言うことはあまりないです。
また前述の通りキャンセルもしやすいことから、キャンセル待ちや返却待ちをすることで、予約が埋まっていた時間帯でも必要な時には乗れるようになることもあります。
汚れていることがある
カーシェアもスタッフが定期的に巡回し、清掃やメンテナンスがされてはいますが、その頻度は決して高いものではありません。レンタカーのように、誰かが利用すれば必ず清掃等が行われるわけではありません。
そのため、どうしても前の人の利用状態によっては車内が汚れていたり、ゴミが残っていたりと言うこともあります。
車内には清掃グッズも用意はされていますが、気になる匂いが残っていることもあり、また、定期的な清掃も細かい所までは手が届かないことが多いようで、飲み物がこぼれた跡などがある場合もあります。
そこまで気になる汚れが残っていることはあまり無いとは言え、車の状態は乗ってみるまで分からない、と言うのはデメリットと言えるでしょう。
突然のキャンセルがあり得る
カーシェアでは、他の利用者の利用時に事故等が発生し、車両が突然使えなくなることがあります。
もし事故で修理が必要な車両に予約を入れており、予約時間に使えなくなった場合は、メールや電話で連絡が来ます。近くに借り換えが可能な車両があれば良いですが、祝日などに前もって予約していた場合は、突然利用出来なくなる場合があります。
レンタカーであれば代わりの車両をレンタカー会社が用意してくれることがほとんどだと思いますが、カーシェアの場合は、周りに空いている車両が無ければ、カーシェア会社が別の車両を用意してくれることはありません。
特にステーション数が少ないカーシェア会社の場合は、こういった危険性が高まると言えるでしょう。
距離料金がかかる場合がある
最近は、一定の時間(主には6時間)の利用を超えると、距離料金がかかる会社が多くなっています。
そのため、短時間の利用であればどれだけ走っても時間料金のみですが、1泊や2泊に使おうとすれば、利用開始時から計算した距離料金を別途支払うことになり、ガソリン代を考慮しても割高になってしまうことがあります。
カーシェアだけで全てカバーしようとするのでは無く、レンタカーとの併用により、よりお得な利用方法を考える方が良いです。
また後述しますが、距離料金が発生しないカーシェア会社もあるため、そういった会社のサービスも契約しておくことで、デメリットを回避することも出来ます。
延長出来ないことがある
カーシェアは、一部の会社を除き予約時間より早く返せばその分料金がかからないため、実際の利用時間より長目に予約することが可能です。
それでも、ある程度は自分の予定利用時間に合わせて予約枠をとります。そのため出先で何らかのトラブルが発生したり、渋滞にまきこれて予約時間内に返せなくなることもありえます。
自分が利用した後に別の予約が入っていなければ問題ないのですが、誰か他の人が予約を入れている場合、延長したくとも出来ないことがあります。
もしそのような場合に予定時間内に返却が出来なければ、通常料金の2倍といった超過料金を払うことになります。
事故をすると面倒、規約も厳しい
カーシェアの場合は、例えば電柱と擦ったというような車両だけが傷つく事故であっても、事故を起こすと必ず警察に届け出る必要があります。
そのため、小さなものであっても事故を起こしてしまうと、手続きが面倒になります。
ここまではレンタカーでも同じかも知れませんが、カーシェアでは会社によって、2回目以降の事故には厳しい対応となる場合があります。
タイムズカーの場合、2年以内に複数回事故を起こすと、2回目の事故は車両の修理費を実費負担した上で、会員資格が停止または取り消しとなってしまいます。つまり、1度目の事故はイエローカードで2度目はレッドカードと言えるかもしれません。
他のカーシェア会社も会員資格の取り消しまでとは行かなくとも、複数回事故を起こしてしまうと、補償サポートでの免責がなくなったりと、厳しい規則が適用されるので注意が必要です。
荷物を残せない
これはレンタカーでも同じなのですが、車に荷物を残しておくことが出来ません。
借りているものなので当然と言えば当然ですが、自家用車であれば車に荷物を積んだままに出来たり、疲れた時は後でかたづけるといったことが可能です。
カーシェアであれば利用の度に全ての荷物を積み下ろししなければいけないため、この点はマイカーよりも面倒とは言えるでしょう。
カーシェア選びのポイント
続いて、数あるカーシェア会社の中から、どの様な会社を選べば良いのか、またカーシェアを選ぶ時のポイントについて紹介します。
近くにある
最優先となるのは、もちろん自宅など自分が普段生活している場所の近くで借りられると言うことです。
近くにステーションがあるから気軽に利用出来るのであり、これが少し離れてしまうだけでも利便性はぐっと下がってしまいます。このことは、利用頻度が上がれば上がるほど実感するでしょう。
また自宅から離れていれば、荷物を自宅に運んだ後に返却するにも時間がかかることとなり、結果的に利用料金も高くなってしまうことにも繋がります。
カーシェア選びの1番のポイントは、近くにあると言うことは間違いありません。
複数の会社を契約
前述したとおり、カーシェアのデメリットの1つは、予約したい時に出来ない場合がある、と言うことです。また、乗りたい車種がない場合もあります。
そういった場合に備えて、予備として複数の会社と契約しておくと良いです。またカーシェア会社によって料金プランも違うため、利用スタイルに合わせて選択することが出来ます。
世田谷区内であれば、複数のカーシェア会社が利用圏内という地域は多いです。そのため、メインで使う会社+予備1~2社を契約しておけば、もしもの時でも安心して利用出来ます。
一方でカーシェア会社のプランによっては月額費用が発生する場合もあるため、あまり利用しない会社は、月額無料プランがある会社を選ぶのが良いでしょう。
全国で乗れるか
カーシェア会社の中には、特定の地域にのみステーションが集中している会社もあります。
ただ車が必要になるのは、自宅にいる時だけではないはずです。例えば職場の近くで利用したくなる時や、旅行やお出かけ時に利用したくなることもあるはずです。
そんな時に、全国にステーションがあるカーシェア会社であれば、出先での用事の時にも借りることが出来るかも知れません。
契約するカーシェア会社の中の少なくとも1つは、全国各地にステーションがある大手を選ぶ方が良いでしょう。
料金タイプが違う会社を選ぶ
先に複数のカーシェア会社を選ぶ方が良いと説明しましたが、この時に料金タイプが違う会社を選ぶことも忘れないようにしたいです。
特にポイントは「距離料金」の有無です。詳しくは後述しますが、カーシェア会社の中には「距離料金」が発生する会社と発生しない会社があります。
この2つのタイプの会社をうまく組み合わせておくことで、必要な場面に合わせてお得に車を利用出来ることになります。
世田谷のおすすめカーシェア会社
それではいよいよ、世田谷区内でカーシェアを利用するにあたり、おすすめのカーシェア会社はどこかを紹介していきます。いずれも筆者が数年にわたり利用している会社ですので、経験者の声としてご参考にしてください。
タイムズカー(旧タイムズカーシェア)
前述したとおり、カーシェアを選ぶ1番のポイントはやはり、近くにあるかないかです。そういった意味では、カーシェア最大手のタイムズカーは外せない選択肢になるでしょう。
区内には350箇所以上(2023年4月現在)もステーションがあり、自宅の近くにある可能性は高いです。さらには、筆者自身もそうですが、すぐに歩いて行ける圏内に複数のステーションがあることも珍しくありません。
ステーション数が多ければそれだけ利用出来る車両も多くなり、予約も取りやすくなります。また毎月新しいステーションの開設や増設なども行われており、利便性も継続して向上しています。
タイムズカーは全国にステーションがある点もポイントです。全国では1万3,000箇所以上と、他社を圧倒する数を整備しています。
家の近くだけで無く、出先で車が必要になった時にも、全国にステーションがあるサービスは心強いです。筆者も用事で他の都市に行った時に、ちょっと車が必要となりタイムズカーを使ったことが何度もあります。
もし自宅に最も近いステーションは他の会社であったとしても、契約しておけば利用する場面は多いはずです。
ただ、現在は月額無料のプランが無く(学生・法人プラン除く)、月額基本料金が880円かかります。その分、880円分の利用が可能ですので、月に880円以上利用するのであれば実質無料とはなりますが、ほとんど利用しない月もある場合は、月額料金を考慮しなければ行けません。
またタイムズカーには、他のカーシェアにはないサービスとして「TCPプログラム」というものがあります。利用状況によって貯まる「カーシェアポイント(cp)」と「TCPあんぜん走行距離」により毎月1~4までのステージが決まり、それぞれに応じて月額料金が無料になったり、ベーシッククラスの料金で他のクラスが乗れたりといった特典があります。
筆者は最高ランクのステージ4となっているため、毎月60分分のeチケットがもらえたりと、大きな特典を受けています。利用実績に応じて特典がもらえるというのも、おすすめのポイントでしょうか。
ちなみに世田谷区は、23区では初めて公用車としてタイムズカーと契約していることもあり、区内でのタイムズカーの多さも納得でしょうか。
サービス名 | タイムズカー |
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初期費用 | カード発行手数料: 1,650円(1人/1枚) |
月額費用 | 月額基本料金: 880円(学生プランと法人プランの場合は無料) |
利用料金(時間利用) | ベーシック: 220円/15分 ミドル: 330円/15分 プレミアム: 440円/15分 |
利用料金(最大料金) | 6時間まで: 4,290円/6,490円/8,690円(ベーシック/ミドル/プレミアム) 12時間まで: 5,500円/7,700円/9,900円(ベーシック/ミドル/プレミアム) 24時間まで: 6,600円/8,800円/12,190円(ベーシック/ミドル/プレミアム) 36時間まで: 8,800円/11,000円/17,600円(ベーシック/ミドル/プレミアム) 48時間まで: 9,900円/13,200円/20,900円(ベーシック/ミドル/プレミアム) 72時間まで: 14,300円/18,700円/27,500円(ベーシック/ミドル/プレミアム) 以降1日毎: 5,500円/6,600円/7,700円(ベーシック/ミドル/プレミアム) |
パック料金 | ナイトパック(18:00~翌9:00): 2,640円/3,960円/5,280円(ベーシック/ミドル/プレミアム) |
距離料金 | 16円/km 時間利用の場合は6時間を超えた場合利用開始時からの走行料金に課金。ナイトパックの場合は利用開始時からの走行料金に課金。 |
公式ホームページ | タイムズカー |
カレコ・カーシェアリングクラブ
タイムズカーに次いで区内でのステーション数が多いのが、カレコとなります。
カレコは全国のステーション数ではタイムズカーに大きな差を付けられていますが、区内だけで見ると約290箇所(2023年4月現在)あり、世田谷区は全国の市町村区の中でもカレコの設置数がトップとなっています。
タイムズカーがタイムズ駐車場に設置されていることが多いのに対し、三井不動産系のカレコは、三井のリパークに設置されていることが多いです。
またタイムズカーに比べて、車種の選択肢が広く、タイムズカーの36車種に対してカレコは58車種を提供しています(2023年4月現在)。加えて、タイムズカーは軽やコンパクトカーの車種(ベーシック)が半数以上を占めるのに対し、カレコは比較的高級な車種も多く、軽・コンパクトカーの車種は全体の1/5程度です。
料金プランでは初期費用が0円であり、月額無料プランもあるため、タイムズカーをメインに使いながら、予備としてカレコを使うという利用方法が出来ます。月額料金が発生するベーシックプランの場合は月額980円が必要ですが、この料金は利用料金として使うことが可能です。
一方で全国的な展開はタイムズカーほどでは無いため、あちこちで見かけると言うことはないかも知れません。
タイムズとカレコを合わせた区内のステーション数は約650箇所にもなるため、この2つを契約しておけば、区内のほぼどの場所にいても、徒歩圏内に複数のステーションを確保出来ると思います。
ただこの後で説明しますが、ここ2つに加えてもう1つ、ある会社を加えておくことをおすすめします。
サービス名 | カレコ・カーシェアリングクラブ |
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初期費用 | 入会金:0円 |
月額費用 | ベーシックプランの場合 月会費: 980円 月額無料プランの場合 月会費: 0円 |
利用料金(時間利用) | ベーシックプランの場合 ベーシック: 150円/10分 ミドル: 170円/10分 プレミアム: 290円/10分 プレミアム+: 520円/10分 月額無料プランの場合 ベーシック: 180円/10分 ミドル: 210円/10分 プレミアム: 350円/10分 プレミアム+: 640円/10分 |
利用料金(最大料金) | ベーシックプランの場合 6時間パック: 4,280円/4,480円/8,280円/11,580円(ベーシック/ミドル/プレミアム/プレミアムプラス) 12時間パック: 5,700円/6,700円/9,800円/13,700円(ベーシック/ミドル/プレミアム/プレミアムプラス) 24時間パック: 7,300円/8,300円/12,000円/16,800円(ベーシック/ミドル/プレミアム/プレミアムプラス) 月額無料プランの場合 6時間パック: 5,280円/5,480円/9,980円/14,080円(ベーシック/ミドル/プレミアム/プレミアムプラス) 12時間パック: 6,900円/8,200円/11,700円/16,400円(ベーシック/ミドル/プレミアム/プレミアムプラス) 24時間パック: 8,900円/10,100円/14,500円/20,300円(ベーシック/ミドル/プレミアム/プレミアムプラス) |
パック料金 | ベーシックプランの場合 夜間パック(18:00~翌9:00): 3,200円/3,600円/5,800円(ベーシック/ミドル/プレミアム) 月額無料プランの場合 夜間パック(18:00~翌9:00): 3,800円/4,400円/7,000円(ベーシック/ミドル/プレミアム) |
距離料金 | ベーシックプランの場合 18円/km / 20円/km / 22円/km(ベーシック・ミドル / プレミアム / プレミアムプラス) 月額無料プランの場合 20円/km / 22円/km / 24円/km(ベーシック・ミドル / プレミアム / プレミアムプラス) 6時間以内の利用であれば、夜間パックの場合も含めて0円。6時間を超えた場合利用開始時からの走行料金に課金。 |
公式ホームページ | カレコ・カーシェアリングクラブ |
NISSAN e-シェアモビ
日産自動車が提供しているカーシェアが「e-シェアモビ」です。提供される車両はハイブリッドも含めた電動車のみとなっています。
e-シェアモビは全国でもステーション数が限られており、世田谷区内でも14箇所(2023年12月現在)しかありません。
ではなぜおすすめなのかというと、長時間利用しても「距離料金」が発生しないためです。
タイムズカーもカレコも6時間を超える利用には「距離料金」が発生するため、遠出で長時間利用すると、どうしても費用がかさんでしまいます。
e-シェアモビは、利用時間にかかわらずこの距離料金が発生しないのです。また夜間のパック料金も、他社とは違い複数提供されています。
そのため、長時間・長距離で利用するには、他のカーシェアでは無くe-シェアモビを選んだ方がお得になる場合が多いです。特に1日以上必要な時などには役に立つはずです(※但し後述しますが、近年の複数回の値上げにより、一部のクラスを除いては、お得感を得るためにはかなりの距離の移動が必要となりました)。
多少ステーションが遠かったとしても、レンタカーと同じような感覚で、たまに必要な時だけ使用するサブに用意しておくには良いでしょう。
ただe-シェアモビにはデメリットも多いです。ステーションが少なく借りれる車両が少ないと言うこともありますが、予約時間より早く返しても使わなかった分の料金は返金されない、と言うのも大きなデメリットです。
タイムズカーもカレコも予約時間より早く返した場合は、(一部制約はあるものの)利用しなかった時間分は課金されません。そのため、予定より多少長めに予約しておき、余裕をもった利用がしやすいです。
e-シェアモビはそれが出来ないため、利用時間をしっかりと計算して予約をしないといけません。その点でも短時間の利用にはあまり向いておらず、基本的には6時間を超える長時間利用でのパック利用を前提に利用するのが良いでしょう。
また車両も、日産の電動車のみと車種はかなり限られます。特に以前は、ノートやセレナといったハイブリッド車もそれなりにあったのですが、最近はこちらの数が減って、サクラやリーフといった電気自動車に置き換わっています。
電気自動車は電気の充電が必要なため、遠出の時には残りの電気量が気になってしまいます。まだまだガソリンスタンドのように気軽に充電出来ないため、車種によっての制限が大きくなります。
それでも利用料金には月額無料プランもあるため、予備のカーシェアとして契約しておけば、便利な場面も出てくるでしょう。
※2023年12月追記
NISSAN e-シェアモビは2022年~2023年に複数回値上げしたことにより、一部のクラスを除いてはお得感は下がってしまいました。
e1クラスであればお得になる場合も多いかも知れませんが、このクラスに含まれるのはサクラと、現在はほとんど無くなった2020年11月以前モデルのノートです。実質は軽自動車サクラ用のクラスであり、そもそも航続距離が短いサクラでは長距離移動は想定しないと考えられるため、このクラスでの利用はあまり考えられません。
例えば、e2クラスでみた場合ですが、12時間パックでの利用は9,300円(ベーシックプランの場合)です。タイムズカーでは同じクラスの車種は主にベーシックに当たりますが、こちらの12時間の料金は5,500円です。距離料金は16円/km(但し2024年2月からは20円/kmに値上げ)となるため、約237km以上の利用で無い場合はタイムズカーの方が安くなります。
時間が延びれば時間当たりの単価が下がるのはどのサービスも同じですが、距離料金が発生するタイムズカーの方が長時間になるほど利用料金はお得になります。24時間で見た場合は、e-シェアモビのe2クラスが12,100円、タイムズカーのベーシックが6,600円となり、この場合は、約343kmの移動が分かれ目となります。
こうなってくると、e-シェアモビが活躍できる場面はかなり少なくなってきそうです。
サービス名 | NISSAN e-シェアモビ |
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初期費用 | 入会費用:0円 |
月額費用 | ベーシックプランの場合 1,000円 月額無料プランの場合 0円 |
利用料金(時間利用) | ベーシックプランの場合 e1: 200円/15分 e2: 250円/15分 e3: 300円/15分 e4: 400円/15分 月額無料プランの場合 e1: 200円/15分 e2: 300円/15分 e3: 400円/15分 e3: 400円/15分 |
パック料金 | ベーシックプランの場合 6時間パック: 3,500円/4,800円/5,600円/6,600円(e1/e2/e3/e4) 12時間パック: 7,000円/9,300円/10,500円/12,300円(e1/e2/e3/e4) 24時間パック: 9,000円/12,100円/13,500円/15,700円(e1/e2/e3/e4) 月額無料プランの場合 6時間パック: 4,100円/5,400円/6,200円/7,200円(e1/e2/e3/e4) 12時間パック: 7,600円/9,900円/11,100円/12,900円(e1/e2/e3/e4) 24時間パック: 9,600円/12,700円/14,100円/16,300円(e1/e2/e3/e4) |
夜間パック料金 | ベーシックプランの場合 アーリーナイトパック(18:00~24:00): 2,000円/2,700円/3,400円/4,000円(e1/e2/e3/e4) レイトナイトパック(24:00~翌6:00): 2,400円/3,200円/3,900円/4,600円(e1/e2/e3/e4) ダブルナイトパック(18:00~翌6:00): 3,200円/4,200円/4,900円/5,800円(e1/e2/e3/e4) ビジネスナイトパック(17:00~翌10:00): 3,700円/4,800円/5,600円/6,600円(e1/e2/e3/e4) 月額無料プランの場合 アーリーナイトパック(18:00~24:00): 2,600円/3,300円/4,000円/4,600円(e1/e2/e3/e4) レイトナイトパック(24:00~翌6:00): 3,000円/3,800円/4,500円/5,200円(e1/e2/e3/e4) ダブルナイトパック(18:00~翌6:00): 3,800円/4,800円/5,500円/6,400円(e1/e2/e3/e4) ビジネスナイトパック(17:00~翌10:00): 4,300円/5,400円/6,200円/7,200円(e1/e2/e3/e4) |
距離料金 | 0円 |
公式ホームページ | NISSAN e-シェアモビ |
dカーシェア
上記の3つのカーシェアを契約しておけば、区内での利用はほぼ問題ないと思われます。ただ最後に1つ、複数のカーシェアを契約するのに便利なサービスを紹介します。
それが、ドコモのdカーシェアです。
dカーシェアを契約すると、複数のカーシェア(とレンタカー)サービスから車を探すことが出来るのです。
前述のカレコとe-シェアモビは実はdカーシェアに含まれており、さらに、オリックスカーシェア、カリテコ、トヨタシェアも対応しています。
つまり、dカーシェアを契約すれば5つのカーシェアサービスが利用可能となるのです。カリテコは2023年12月に世田谷区内に初めて進出したばかりですが、オリックスは70箇所、トヨタは11箇所(2023年12月現在)、ステーションを提供しているため、利用する場面も出てくるかも知れません。
登録料金や月額料金は無料です。カレコとe-シェアモビの月額無料プランをそれぞれ契約するのであれば、替わりにdカーシェアを契約することで、1つの契約でさらに多くの選択肢を持つことが出来ます。
タイムズカーとdカーシェアの契約で、世田谷区内でのカーシェア利用はほぼカバー出来るでしょう。
▼dカーシェアの申込・詳細はこちら
https://dcarshare.docomo.ne.jp/portal/